うつ病と「セロトニン」と鍼灸。
腸の蠕動運動とともに分泌されることが知られているセロトニン。
しかもその大半が腸から生まれています。
セロトニンは「しあわせホルモン」とも言われている脳内ホルモンです。
セロトニンの働きで感情や気分のコントロールや精神の安定に深くかかわっています。
そのセロトニンが不足するとストレス障害やうつ、睡眠障害などの原因になりえます。
腸がきちんと動く→セロトニンが生まれる→心が安定する。
東洋医学でも腸の働きが安定していることが体と心が落ち着いている状態だと言われています。
私たちの鍼灸院にも躁うつ病などの精神疾患を患って精神科へ通院中の方が来院されます。
精神科ではうつ病の原因を脳内でのセロトニン不足ととらえられています。
ですから、いかにセロトニンを増やすのかが症状改善にとても大切なこととなります。
言い換えれば、いかにきちんと腸が働くようにするのかが、ポイントと言えます。
鍼灸やマッサージは腸の動きを改善することができます。
腸の動きをコントロールするのは自律神経の働き。
自律神経の乱れを安定させるのは、鍼灸やマッサージの得意とするところです。
精神科へ通院中の方も、鍼灸のみで改善させてゆくものでもありません。
もちろん、きちんと薬も飲みながらの鍼灸施術となります。
しかし、薬を飲みながら鍼灸に来られる方の症状は、来院される方の表情でその改善されてくる様子が伺えます。
鍼灸施術によって体が改善されてきますと、心にも余裕が生まれるのでしょうか、皆さん表情が明るくなるようです。
当然、元気になりすぎるのも問題ですので精神科への通院は欠かせません。
それでも、鍼灸の施術が自律神経を介して身体も心の状態も安定して、表情が明るくなって喜んでいるのを伺うと、私もうれしくなります。