セロトニンを増やす生活。
・ちょっとしたことで、イライラしやすい
・気分が沈んで、落ち込みやすい
・睡眠時間がいつもより長くなる
・食欲が抑えられなくて、体重が増える
これらの不調の原因に「セロトニン」と言われている脳内ホルモンが大きく関係しています。
日々の生活の中で、セロトニンが活発に作り出されるためのポイントをご紹介します。
- 腸の働きを安定させよう。
暴飲暴食は当然いけませんが、あれもこれも食べなければいけないとなると毎日のことなのでとても大変なここと思います。
「腸活のすすめ」でも書きましたが、まずは暖かいものを取ることから始めてはいかがでしょうか?
- 日光に当たろう。
太陽に光には、心を穏やかにするセロトニンの働きを高める作用があります。
目安は、一日30分程度が良いようです。身体の調子が良くないときは生活リズムも乱れがちですが、朝の日光浴は覚醒のスイッチであり生活リズムを整える働きもあり一石二鳥ですよ。
- セロトニンの材料を取ろう。
セロトニンの合成に必要な栄養素を紹介します。
豆腐、納豆などの大豆製品、チーズや牛乳などの乳製品、コメなどの穀類、ゴマ、ピーナッツ、卵、また肉や野菜にも多く含まれているようです。
ただし、動物性タンパク質はトリプトファンを取り込みにくくする傾向があり植物性タンパク質からとる方が良いようです。
◇ビタミンB6
サンマやイワシや鶏胸肉やササ耳など脂身の少ない肉類に含まれます。
酒粕や抹茶、ゴマなどにも多く含まれています。
◇炭水化物
脳の唯一のエネルギー源でトリプトファンが脳内に取り込まれるのを助けます。
ただし、セロトニン不足の状態は炭水化物を欲する傾向があり、取り過ぎには注意です。
「ちょっと最近調子が悪いなぁ」と心身の変調を感じているときなど、忙しすぎたり、疲れやストレスが貯まり過ぎているのかも知れません。
セロトニンは日常生活の中の工夫で増やすことができます。
できることから少しずつ、セロトニンを増やす生活を取り入れてみてはいかがですか?
「腸活」」のすすめ
ここ数年、腸内環境を整えて、腸の働きを良くすることで体の調子を整えましょうという健康志向のことを「腸活」というようですね。
新しい言葉のようです。~活って流行っていますものね。
腸内環境が整えば免疫力が上がり、病気にもなりにくくなります。
代謝も上がり便秘も解消されれば、なんだか一日元気になりますし、口臭もなくなり、お肌の調子も良くなるなどなど、いろいろな効果があります。
特に、朝のお腹の調子は一日の体調を左右しませんか?
私事ですが、お腹が調子悪かったり、便秘でお腹が重かったりすると一日なんだか元気が出ない、どよ~ンとして体が重かったりします。
お腹の調子は、体のバロメータ-だったりもします。
腸は、口から入った食べ物の栄養素を吸収して排泄を行う場所です。
唯、それだけではありません。
私たちの元気の源のしあわせホルモン「セロトニン」の90%は、腸で生まれています。
特に、よく腸が動いているときに生まれます。
腸の健康は、幸せホルモンの力で体を元気にしてくれるようです。
でも、腸を元気にするのにはどうしたら良いの?という方へ、特にあれもこれもしたくないなぁという方へおすすめな方法があります。
それは暖かいものを食べること、です。
まずは口からとる物の温度を気にすると良いですよ。
お腹を冷やすと腸の働きも悪くなることは経験されている方も多いかと思います。
特に、夏場だとどうしても冷たいものを取り過ぎがちですが、熱い時こそ、口からとる物の温度に気を付けた方が良いです。
ついつい冷えてしまいがちですからね。
飲み物でも食べ物でも温かいものを取ると大腸はよく動いて、セロトニンも生まれやすいようですよ。
うつ病と「セロトニン」と鍼灸。
腸の蠕動運動とともに分泌されることが知られているセロトニン。
しかもその大半が腸から生まれています。
セロトニンは「しあわせホルモン」とも言われている脳内ホルモンです。
セロトニンの働きで感情や気分のコントロールや精神の安定に深くかかわっています。
そのセロトニンが不足するとストレス障害やうつ、睡眠障害などの原因になりえます。
腸がきちんと動く→セロトニンが生まれる→心が安定する。
東洋医学でも腸の働きが安定していることが体と心が落ち着いている状態だと言われています。
私たちの鍼灸院にも躁うつ病などの精神疾患を患って精神科へ通院中の方が来院されます。
精神科ではうつ病の原因を脳内でのセロトニン不足ととらえられています。
ですから、いかにセロトニンを増やすのかが症状改善にとても大切なこととなります。
言い換えれば、いかにきちんと腸が働くようにするのかが、ポイントと言えます。
鍼灸やマッサージは腸の動きを改善することができます。
腸の動きをコントロールするのは自律神経の働き。
自律神経の乱れを安定させるのは、鍼灸やマッサージの得意とするところです。
精神科へ通院中の方も、鍼灸のみで改善させてゆくものでもありません。
もちろん、きちんと薬も飲みながらの鍼灸施術となります。
しかし、薬を飲みながら鍼灸に来られる方の症状は、来院される方の表情でその改善されてくる様子が伺えます。
鍼灸施術によって体が改善されてきますと、心にも余裕が生まれるのでしょうか、皆さん表情が明るくなるようです。
当然、元気になりすぎるのも問題ですので精神科への通院は欠かせません。
それでも、鍼灸の施術が自律神経を介して身体も心の状態も安定して、表情が明るくなって喜んでいるのを伺うと、私もうれしくなります。
不調改善のキッカケづくり。
私たちの日々の養生の教えとして「先本後標(せんぽんこうひょう)」という言葉があります。
「本」は本質、物事や体の大元のことで、「標」はおもての表れや症状のことです。
「まずは根本的な大元を改善し、後に表に現れている症状を改善させる方法を考えましょう。」という教えです。
「体の不調を感じたときに直ぐに薬に頼るのではなくて、その不調の本当の原因を振り返ってみましょう」という意味でしょうか。
私は、体をきちんと温めて、よく寝て、嫌なことがあったなら、心の中で「まぁ良いか。」とつぶやくことが簡単にできる養生だと思っています。
それが、わたしのなりの簡単にできる不調改善のキッカケづくりです。
なので、すぐに薬やサプリメントに頼る前に、日常にできることで不調の大元を解消するキッカケづくり…しかもご自身にしっくり合うキッカケづくり見つけてみませんか?
お灸、艾(もぐさ)は何からできているの?
「春秋灸をすえて、患いせぬように心がくべし」というおふれが江戸の幕府からあったとか。
江戸の時代には一家に1つの常備薬のような扱いだったようです。
旅をする際には、お灸を使って胃腸炎やツツガムシ病など様々な症状に対応したとか。
浮世絵にもお灸をすえる姿が描かれているものもあり、一般的であったことが伺えます。
お灸とは艾(もぐさ)に火をつける施術です。
一説には「燃える草」が艾(もぐさ)の由来だとか。
艾(もぐさ)は、「よもぎ」の葉っぱからできています。
厳密には、葉の裏に産毛のように生えている繊毛(せんもう)が使われます。
昔から「食べてよし、飲んでよし、塗ってよし」と言われているヨモギは、暑さや寒さに強く各地で見ることができ、誰にでも簡単に収穫できたことから日本の様々な風習に定着しました。
収穫したヨモギの葉を乾燥させ、石臼で引いて細かくし篩(ふるい)にかけてフワフワに仕上げたものがお灸の艾(もぐさ)として使われます。
収穫したヨモギの総量の3%ほどしか作る事が出来ないそうです。
大変な収穫量の程を想像してしまいます。
お灸が体に良い理由。
私たちが普段の生活で感じることのある痛みや不調の中には、「病院へ行くほどでもないかなぁ」というほどの些細な不調は、思いのほか多いです。
なんとなくの体調不良は、日々の疲れと体の冷えです。
特に私たち日本人の体質は高温多湿な環境や日本の食文化の影響から冷えやすくできています。
遠い昔、飛鳥の時代に中国から伝わった鍼灸の技術は、日本独特の気候や風土、文化の中で様々な工夫がなされ独自の発達をしてきました。
冷えやすい日本人の体質には、つぼをじんわり暖かく刺激する「お灸」が、私たちの体質にはもってこいの不調の改善方法です。
お灸や指圧でツボを刺激することで、体の血流をスムーズに整えます。
内部にじんわりと届くお灸の熱や痛気持ちの良い指圧の刺激は、内に澱のように貯まったモヤモヤを「ホッ」とする息とともに体の外に吐き出してくれます。
「ホッ」とする気持ちは、自律神経の働きを整えようとしてくれます。
暖かい体は免疫力も代謝の向上にも良いです。
お灸は、私たち日本人の体質に合った温め方なのですね。