「くび」はどこ?―ネックレスは、首飾りではなく頸飾り。
当院には「くび」の痛みや辛さで来院される方も多いです。来院主訴数で言えば1位か2位かという所でしょうか
ところで「くび」とはどこを指す言葉かご存知ですか?
私たちは、「くび」と一概に言っても、その症状によってその「くび」の位置の捉え方が変わってきます。
「くびが辛くて」という頸は頭と胴体をつなぐ細い部分のどこかがツライということですよね。
頸の痛みの原因を探す一つの手がかりは、筋肉そのもの、もしくは筋肉のつながりです。
ちなみに、頸の筋肉を後ろから見たとき、背中のどの辺りまで延びているか想像できますか?
それは、少なくとも「肩甲骨の下辺りまで」は延びています。
結構、長いですよね。
例えば、首が回らなくてといういわゆる寝違いの症状。
鍼の施術ポイントの一つか背中、とくに肩甲骨の下の辺りにあります。
それは、頸の筋肉が背中、肩甲骨の下あたりまで延びている筋肉を刺激したいからです。
他にも、アナトミートレインと言って、筋肉を包む筋膜の繋がりで見れば、首の筋肉は足の裏までつながります。ということは「頸の筋肉は足の裏まで」ということも言えます。
一言で頸と言っても、その範囲は全身に及びます。
いざ治療や施術となると、そのツライ部分ばかりを見ていては、本当の原因を見逃してしまうものです。
ツライや痛いにも原因があります。
その原因となっているのは何か、何処かを探ります。
頼りになる一つに、筋肉の位置やその流れがあります。
ちなみに、一般的には「首」と書く漢字も私たちは「頸」と書きます。
同じような意味合いでも、漢字の意味としては厳密には違うようです。
首も頸も共通の意味としては、頭と銅をつなぐ細くなっている部分のこと。
厳密には、「首」とは頭と銅をつなぐ部分を含めそこから上の部分。
つまり、いわゆる「くび」だけではなくて頭も含める意味だそうで。
では、「頸」はと言うと、頭と胴とつなぐ細くなっている部分だけを指すようです。
普段使う「くび」は、本来「頸」の字なのですね。
そうすると、ネックレスは首飾りではなく、頸飾りと書くのが相応しいことになりますね。
まぁ、普段の生活では全く必要のない雑学でした。