自己を顧みる。
「コリ」一つにしても、筋肉の硬さが取れたからそれで良いということはありません。
その一部分だけが柔らかくなれば良くなるということでもありません。
全身の筋膜の繋がりや自律神経の働きなど、一部分の痛みだとしても、それは体全体の不調がその部分にだけ現れているだけかもしれません。
何を指標に鍼灸の施術をするのかを判断することは実に難しいです。
ひとりひとりに合わせた刺激の量と質の感受性を見極めるのは、経験を積むほかありません。
しかし、経験を積めば積むほど難しいように思えてきてしまいます。
時には、鍼灸自体の限界なのか自分の実力不足なのか-悩みは尽きません。
鍼灸の限界と言ってしまえば寂しいので、結局はやはり実力不足と自らに対してがっかりする時もあります。
自分にがっかりするのは、今の自分が自分以上の何かを期待しているからに違いありません。
身の丈以上の何かを期待してしまうからに違いないと顧みたりします。
とは言え、期待しなくなるという心持ちは寂しい気もするし、成長もしなくなってしまうことを思えば、結局は一歩ずつ前に進むほかないということになります。