むろた鍼灸治療院のブログです。

鍼やお灸、マッサージを通じて日々是好日に過ごせますように。

成長の物差しについて。

この世界に入って20年近くになるけれど、分かったこと以上にわからないことが増えたことが分かりました。

 

この世界に入って間もないころ、先輩に施術に関して「こうしたら良いんだよ。」と、さも簡単なことのように言われたことを思い出します。

 

今になれば「あぁ、そうか。こういう感覚だったのか。」と思うことがあります。

 

少しは成長しているのかなと、自分の成長を10年以上という時間をかけて測ることになるわけです。

 

自らの変化を比較する物差しの長さは、時に長いものだと思ったします。

 

経験の積み重ねは、自分に期待する思いとがっかりすることの繰り返しで、10年だとか20年だとか長い時間でもって形になるものなのかもしれません。

自己を顧みる。

「コリ」一つにしても、筋肉の硬さが取れたからそれで良いということはありません。

 

その一部分だけが柔らかくなれば良くなるということでもありません。

 

全身の筋膜の繋がりや自律神経の働きなど、一部分の痛みだとしても、それは体全体の不調がその部分にだけ現れているだけかもしれません。

 

何を指標に鍼灸の施術をするのかを判断することは実に難しいです。

 

ひとりひとりに合わせた刺激の量と質の感受性を見極めるのは、経験を積むほかありません。

しかし、経験を積めば積むほど難しいように思えてきてしまいます。

 

時には、鍼灸自体の限界なのか自分の実力不足なのか-悩みは尽きません。

 

鍼灸の限界と言ってしまえば寂しいので、結局はやはり実力不足と自らに対してがっかりする時もあります。

 

自分にがっかりするのは、今の自分が自分以上の何かを期待しているからに違いありません。

 

身の丈以上の何かを期待してしまうからに違いないと顧みたりします。

 

とは言え、期待しなくなるという心持ちは寂しい気もするし、成長もしなくなってしまうことを思えば、結局は一歩ずつ前に進むほかないということになります。

「腰が抜けそうな感じがする。」「痛くなりそうな気がする。」

痛みは主観的な感覚です。

 

ですから、施術の際は推測するしかありません。

 

そのヒントの1つが、患者さんの訴える痛みの感覚の表現です。

 

どのような表現の痛みなのかから痛みの種類を推測します。

 

時には「腰が抜けそうな感じがする。」「痛くなりそうな気がする。」と表現されることがあります。

 

決して珍しい訴えではありません。

 

体の痛みには、病名のつかない症状と言うものがあります。

 

「腰が抜けそうな感じがする」「痛くなりそうな気がする」と言うのもその一つです。そのような状態を「疼痛性症候(とうつうせいしょうこう)」という言い方をすることがあります。

 

固くなった筋肉と血流の悪くなった筋肉による痛みです。

 

不良姿勢や心因性(ストレス)由来のものなど原因は様々で、一概には原因を特定できないものです。

 

「持続的筋収縮」と「微小循環障害」

何らかの原因で持続的収縮が続くと、その周囲は微笑血管の圧迫により循環障害を起こします。循環障害は酸素供給不足-酸欠の状態で乳酸を蓄積します。

乳酸の蓄積は、水素イオンの蓄積なので局所的に発痛物質ブラジキニンやプロスタグランジンが発生され疼痛閾値が低下します。

 

硬くなって血流の悪くなった筋肉は、酸欠を起こします。そして、痛みを感じやすくなります。

 

鍼による鎮痛効果は、痛みを感じにくくします。

 

疼痛閾値の上昇は自己疼痛抑制機構の賦活によることが知られています。

 

「腰が抜けそうな感じがする」「痛くなりそうな気がする」と言う症状に鍼をすると、痛みや体の動きが変化をします。ときには、びっくりするほど変化をします。

 

変化をするというよりも、おそらく、本来あるべき状態に近づいたと言えるのだと思います。

前に進む。

『何かをがんばっていたり、こだわっていたりしていて、この人はどうしてこんなに頑張っているのだろうと思うことがある。

 

きっと、無理をしているのだろうなと想像しながら話をしているとき、会話の中でふとそのどうしてに合点するときがある。

 

きっとこの人はそこへ向かいたかったのか。

 

そうした自分になりたいのか。

 

そう思うと、さらにその方を理解することができる。

自分の身に置き換えて想像すれば、共感することも多々ある。

 

無理をして頑張っている人は、大抵たくさんの努力をしている。

 

選んでいたのか選ばざるを得なかったのか、その道を進まざるを得なかったのかもしれない。

それでも、ここまで歩いてきたのだ。

 

食べたもので今の自分の体が作られるように、なりたいと思う自分がこれからの自分を作る。

今までもこれからも自分の選択は間違っていなかったんだと思いたいし そう思わなくては前に進めない。』

 

と、先日来院された方と、要約すればこのような話をしていたのを思い出しました。

施術後のだるさ。について

施術後に温泉に入った後の「だるさ」のような症状が出る場合があります。

 

一見、症状が悪化したのではと思われるかもしれませんが、ご心配には及びません。これは、施術の効果によるいわば『 毒出し』です。

 

好転反応、または、東洋医学では瞑眩(めんげん)と言います。

 

施術を受けたことによって、滞っていた血流が急に改善したり、自律神経に働きかけたことによって、体が良くなろうとする際に一時的にこの反応が出ることがあります。

すぐに落ち着きますし、好転反応が出る人ほど施術効果が高いとも言えます。

 

好転反応が感じられた際には、水分を多めにとって、普段以上に横になるなどして、ゆっくりとお過ごし下さい。

ストレッチの最大のメリットは。

呼吸が深くなるような、体が気持ちいいなぁと感じることは、全て心の栄養です。

 

朝、目が覚めて体を伸ばすだけでなく、ひと手間かけて数分間のストレッチができれば、体は延びるし、心に余裕がある証拠を確認できるしで、二重にうれしい。

 

朝の忙しさにかまけて、ストレッチする時間を作つことは、とても大変なこと。

 

ストレッチを朝からできるのは、心に少しでも余裕を感じているからじゃないかなぁ。

 

ストレッチは、筋肉が伸びます。関節の可動域も広がります。怪我の予防にもなります。

 

更に、ストレッチの気持ちいいなぁは、脳を喜ばせて心の余裕につながります。

 

そして、何と言ってもストレッチの最大のメリットは、筋肉の中を走行している血管の血管壁を伸ばすことにあります。

 

意外に知られていないかもしれませんが、血管の壁は筋肉でできています。

 

伸ばされれば、筋肉は柔らかくなります。

血管の壁の筋肉だって伸ばされれば柔らかくなります。

 

そして、体の健康や体調は、いかに体の隅々まで綺麗な血液が届くかにつきます。

 

血液を送る動力は血管のチカラ。

 

いかに柔軟な血管を保つかが体調を保つためのポイントです。

 

血管も心も、柔らかいのに越したことはありません。

 

体が伸びると、呼吸も深くなります。

 

縮こまった体が伸ばされて、体の気持ちいいなぁは、きっと、心の栄養になっているはすです。

適当。

ストレッチや運動、ヨガにピラテス、足湯に半身浴。

 

巷には、体に良いとされていることが溢れています。

 

それらの話になると、「どのくらいやるのが良いの?」と、聞かれます。

 

それはまず、それらを行った後の、体の感覚を感じてみることから始めてみると良いかもしれません。

 

漫画山田君の担任の先生の座右の言葉は「適当」だそうです。

 

適当とは、辞書を開けは「度合がちょうどよいこと。」とあります。

 

「どのくらいやればよいの?」は適当でよいと思います。

 

それでも人は、ついつい甘えて、サボってしまって、続けるのって大変なこと。

 

でも、それで良いと思うのです

 

体に良いはずだから、あれやこれもすることが良いことなのではなくて、ちょうどいい具合に体や心が喜ぶことを、感じることが大切なのだと思います。

 

体調に左右される体の声を感じて、生活が少しでも良い方向を向けられると良いですね。